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文責:横幕鍼灸院 院長 横幕胤和
最終更新日 2024年2月24日
目に良いベリー、と言われて連想するもの。多くの方はブルーベリーを思い浮かべるでしょうか。
しかし、目に良いのはブルーベリーだけではありません。同じくベリー系のカシスも、目に対して良い影響を及ぼします。
カシスには様々な栄養素があり、それぞれにいくつもの効果があります。そしてその効果は目の病気、緑内障に及ぶ可能性があると言われることも。
ここではそんなカシスと緑内障の関係について、詳しく説明しております。
【目次】
カシスとは日本語で別名クロフサスグリと呼ばれる木の果実を指します。他
にもブラックカラントとも呼ばれ、黒に近い濃いめの紫色をした直径1センチほどの果実で、古代ヨーロッパの山奥で自生していたと言われ、北欧やカナダ、ニュージーランドなどで主に栽培されています。
日本には1868年ドイツから輸入されたと言われ、日本における主な産地は青森県です。
現在、世界の中でもニュージーランドでの栽培が有名で、日本よりも紫外線量の強いニュージーランドではよりアントシアニンと呼ばれるポリフェノールの一種であり、視覚機能改善効果や眼精疲労、メタボリックシンドロームの予防や花粉症にも効果的だと言われる成分を多く含んだ良質のものが手に入ると言われています。
お酒を飲まれる方なら、カシスと聞くとカクテルのカシスオレンジをイメージされる方が多いかもしれません。ほかにもタルトやムースといったケーキ類、ゼリー、ジャム、チョコレート、アイスクリームなど、多くの食品の材料として使用されていますが、生食にはあまり向かないもののようです。
カシスはビタミンや食物繊維、ミネラルといった栄養素を比較的多く含み、風邪やインフルエンザの予防に効果を発揮することもあると言われています。15世紀のヨーロッパでは民間薬に用いられていたとも言われています。
カシスと目の関係についてみたとき、着目されるのはポリフェノールという成分です。ほとんどの植物に含まれており、ポリフェノールはその種類も実に多様です。
中でも、カシスにおいては特にアントシアニンという成分が注目を集めています。
アントシアニンは野菜や果物に存在する、青や赤、紫色といった色調をもつ色素で、ベリー類や紫イモ、ナスなどに含まれています。
アントシアニンは生活習慣病への予防効果が期待されているほか、目に対しても良い影響を与えると言われています。例えば近視や眼精疲労の防止、改善、また白内障の予防、そして緑内障の進行を抑えるのに効果を発揮する可能性があります。
また、現代社会においてかけ離すことのできないパソコンやテレビ、携帯電話などの画面を見ることによって起こる一時的な近視にもアントシアニンは効果を発揮します。
これは目のレンズのピント調節をする毛様体と呼ばれる部分の筋肉の緊張を和らげる役割がカシスアントシアニンにはあると言われているためです。今後も注目される成分の一つと言えるでしょう。
なお、アントシアニンは紫外線などの有害な光線から植物が身を守るために蓄える成分である以上、より強い紫外線を浴びたカシスは多量のアントシアニンを含んでいると考えられます。
産地となっている国の環境などにもよりますが、そういった面を考慮してカシスを選んでみると、より高い効果が見込める可能性はあります。
緑内障とは目から入ってきた情報を脳に伝える視神経の異常により発生する目の病気で、視野の欠損や視力低下といった症状を引き起こします。
通常、角膜と水晶体を通り網膜上で結ばれた像の情報が視神経に入り、脳に伝達され、そこで画像として構成されることで人は見た対象を認識できます。
しかし、その視神経に異常が起きると情報を正確に伝えられず、脳で画像が正確に作れなくなります。
緑内障は眼球のレンズの前を満たしている房水と呼ばれる水分の循環が悪くなり、眼球の圧力が上がるため眼球が硬くなり、視神経を障害してしまうために、視野が一部欠けたり、視力が下がってしまったりします。
詳しくご説明すると、眼球をボールとすれば眼圧は空気圧のようなもので、その空気にあたるのが目の内部にて血液の代わりに栄養を運ぶ房水です。本来、房水の産出と排出のバランスは一定に保たれています。
ですが、緑内障の場合には、何かの原因で房水のバランスが崩れると眼圧が高くなり、増大した圧力によって視神経がつぶれ異常が起きます。
ただ緑内障には様々なタイプがあり、
1)原発解放隅角緑内障:正常圧緑内障と呼ばれるもので、眼圧が正常なもの
2)原発閉塞隅角緑内障:急激に吐き気、頭痛、めまいなどが起こる急性緑内障と呼ばれるもの
3)続発緑内障:あらかじめ目や体のどこかに病気があり、それが原因となって起こるもの
4)発達緑内障:生まれつき隅角に異常があり起こるもの
の4種類です。
中でも1)の正常圧緑内障でお困りの方に対して、カシスの有効性が示唆されています。
緑内障の症状の主なものは視野が狭くなり目が見えにくくなるというものですが、急性白内障の場合にはめまいや頭痛、目の痛み、充血などが起こります。主な症状である視野狭窄は、異常が自覚されないことが多く、気付いた時にはかなり進行しているケースも多いと言われます。
普段私たちは両目でものを見ているために、双方の目でカバーされているために視野の欠損や狭窄がわからないことが多いのです。
緑内障の対応は、眼圧を下げることによる症状悪化の予防が主なものであり、一度障害を受けた視神経は元には戻らないと言われます。対応はお薬が主なもので、緑内障のタイプや眼圧の高さにより、1つもしくは複数のお薬を使用します。時に、内服薬が処方されることもあります。
カシスが正常眼圧緑内障に及ぼす効果については、日本緑内障学会にて発表された研究結果からみてとれます。
ある研究で、カシス含有食品(カシスアントシアニン50mg含有)を飲み続けた正常圧緑内障でお困りの方は、眼圧上昇の抑制、目の血流の増加が認められ、緑内障の進行を抑制する可能性があると発表されました。
研究の対象となったのは2年間以上点眼薬による緑内障治療を受けている正常眼圧緑内障患者でお困りの方を2群に分け、それまで通り点眼薬を続けつつ、カシス含有食品を2年間摂取される方とカシス含有食品ではない偽薬を摂取していただく方とに分け、その効果を測定しました。
なお、摂取が始まってから6カ月ごとに検査を実施したところ、摂取後6ヶ月後よりカシス摂取群と非摂取群では目の網膜の血流と視野を示すMD値の変化(減少度合い)に変化が見られ、摂取している2年間の間の半年毎に行った検査値は、全ての検査値において視野低下を抑制、目の血流改善が認められたということです。
MD値とは同年齢の正常者と比較した場合の視野の欠け具合を表した数値で、緑内障の進行具合を判断する指標になります。つまり、緑内障の進行がカシス含有食品の摂取によって緩やかになったといえるでしょう。
このように、研究発表での報告ではありますが、カシスの効果には緑内障の進行抑制にも寄与する可能性があることがわかります。
さらにカシスは、含むアントシアニンの量がブルーベリーやピルベリーなどよりも多く、アントシアニンの種類も豊富です。その効果を期待するなら、摂取するにはより望ましいものと言えるかもしれません。
当院では緑内障でお困りの方に対して、以下の方針で改善を目指します。
まず大切なのは眼圧の低下を目指すことです。眼圧が長期にわたり、高い状態が続きますと、視神経が圧迫され緑内障の症状が進行する可能性があります。
当院では、眼圧を下げるツボに鍼灸施術を行い、眼圧の低下を目指します。
眼圧が正常であっても、緑内障が進行するケースがあります。網膜の血流が悪くなることが、視野狭窄の症状を悪くする可能性があると考えます。
一般的に見逃しがちな原因ですが、当院では網膜の血流を改善するためのツボを優しく施術して改善を目指しま。
緑内障でお困りの方は、自律神経のバランスが乱れやすい状態になりがちです。自律神経のバランスが乱れますと、不安・イライラ・胃腸障害・めまいなど多数の自律神経失調症の症状が出やすくなります。
緑内障でお困りの方にとって、カシスがもたらす2つの効果は期待できるものであると言えます。残念ながら視神経は一旦障害を受けると元には戻らないと言われています。だからこそ、それ以上の悪化を防ぐことが必要になるのです。
また概ね緑内障はじっくりと着実に進行していく病気ですが、カシスはその悪化を抑制するためにとれる一つの手段である可能性があると言えるでしょう。どうかあきらめないでください。
兵庫県伊丹市 KKさん 31歳 男性 公務員
緑内障については先生に出会ってから考え方がまるで変わりました。緑内障=「止める事しかできな治らない病気」と思っていましたが、進行を止めることだけでなく視野も回復していくのだと実感しました。
眼圧がだいぶ安定してきて体調も良くなって来ています。何より先生の鍼は痛くないこと、また自宅でもケアできるローラー。その点にてついて治療をあきらめずに進めることが出来ます。副作用がないことが魅力的です。
緑内障だけではなく他の体全体を診察していただけるので、その点他の病院ではないと思います。その場の治療だけではなく、アフターケアの方法をアドバイスしていただけるので助かっています。
*個人の感想であり効果を保証するものではありません。
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